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イベントレポート

(2013/9/27)
アジアフォーカス・福岡国際映画祭上映
台湾映画『花様~たゆたう想い~』
ゼロ・チョウ(周美玲)監督
舞台挨拶レポート

©FAEP

9月16日「花様~たゆたう想い~」の日本初上映の当日。台湾の女性監督、ゼロ・チョウ監督の舞台挨拶と
上映終了後のファンとのQ&Aに参加させて頂きました。

監督:今夜の上映が中華圏以外で初の上映となります。ですので、私は本当に興奮してますし、感動してます。
こうやってまた残っていただいてQ&Aに参加していただいたことにとても感謝申し上げます。皆さん、この映画をどの
ように見てくださったでしょうか?


Q:とにかくキャストがとてもホントに豪華な顔ぶれで、主演の双子の姉妹を演じられましたアイビー・
チェンさん、ミシェル・チェンさん、そしてジェリー・イェンさん、ジョセフ・チェンさんと、とにかく今人気の
スターが大共演というか、そして脇を固める役者さんもとても有名な方々で、非常に大作だなぁという
感じがしたんですけれども、作る上でまずどういうところから企画が始まったんでしょうか?


監督:この作品、さきほどご紹介頂いたように、台湾でとても大人気の若手の4人のスターを起用させていただいた
わけでして、その脇を固めるのが映画祭で主演男優賞、女優賞を獲っていらっしゃるサイモン・ヤムさんとサンドラ・
ンさんのお二人、加えてリ・シャオランさんです。この素晴らしい方々に脇を固めていただいたという事は、この4人の
若手の方たちにとっても、ものすごく力になったと思います。ですから、こういう人たちと組むことによって若手の方達
も進歩していく、非常に力を得るんじゃないかと思っていました。今回は、こういう風に時代劇な訳ですけれども、
時代劇を演じた事がない人たちで、このやった事がないものに取り組んでいくという事は非常に達成感もあるし、
そして自分のこれまでの演技の殻を打ち破ることが出来るという新しい自分の世界を切り開いていけるということ、
それを私はせひこの若手の大人気スターたちに望んでいた事でした。そして、サイモン・ヤムさん、サンドラ・ンさんも
そういう風に若手と組む事によって何か得るものがきっとあるに違いないと思ってました。ですから、双方にベテラン
俳優と若手俳優がいい味を出しあってお互いの力を結集していいものを作っていってもらいたいなと思ってました。
特にサイモン・ヤムさんにはとても感謝しています。色々若手の方達を引っ張っていって現場もすごく盛り上げてくれ
た、とてもサイモンさんには感謝してます。


Q:日本にも女性監督さんがたくさんいますが、どちらかというと日常的な映画を撮られる方が多く、なか
なか保守的な世界ですから自由に撮影ができないと聞いたことがあります。しかしこの監督の作品は歴
史大作です。映画を作成するにあたって女性として苦労されたことはないですか?


監督:中国大陸では時代劇は男性監督がほとんどです。男性監督が撮る作品のテーマは戦争であったり、歴史
上の英雄であったりしますが、私は細やかな情感をとらえた作品を撮りたいと思いました。この映画はこの島にいる
男と女の物語です。愛に対する態度、見方がみんな違います。例えば、花漾楼のおかみである月娘は事業を
やるために、そこに重きを置いて愛をなくしてしまう。そしてまた、お茶屋の女主人芙蓉は結局は夫のために家を捨
てるわけですが、それでも愛を全うすることはできなかった。愛に対する信念というものがみんな違うわけなんです。
これは男も同じことだと思います。ですから、このような男女の愛に対する信念の違いというものが、広く見れば歴
史を作ってきた事だと思います。歴史はこのような女性の愛に対する観念、信念の違いによって作られるという新し
い歴史的な見方を私は持っています。


Q:エンドクレジットで、作詞のところに監督さんのお名前がありましたが?

監督:歌詞は私が書いた脚本にあったセリフの一部なんです。これまでの私の作品はどれもそうですが、主題歌は
とても重要なので私の脚本にあるセリフを使いました。映画の出だしの部分で中元節が出てきます。日本でいう
お盆にあたりますが、この中元節の意味は人と亡霊は全く同じであるということ。賑やかなお祭りの中に死のイメー
ジがすでにあり、人と亡霊というのは見分けがつかない 生と死の境がすでになくなっているということです。なので
最後にジェリーが演じる刀疤とアイビー演じる小霜が島を出ていく姿が出てきます。あれは果たして本当に生きてい
る姿なのか?あるいは、ジョセフが演じる講談師が歌う物語に出てくる人物なのか?それは生きている人間なのか
亡霊なのか見分けのつかない境なのです。


Q:海賊にはモデルがいたのですか?昔アジアをまたにかけた海賊(商人)がいたという話もあるようですが
・・・・。


監督:脚本を書くときに非常にたくさん本を読みました。その中には日本と関係がある資料もありました。太平洋
上の島々はどこの国にも管轄されない法外地域だという記述があり、さまざまな国々の人たちが行き来をし自由
な地域で、その中に海賊も出没していたそうです。今回サイモン・ヤムさん演じる海爷という役柄は民間の伝説で
あった人の資料は読みました。それは政府が書いてきた正式な歴史ではないが、民間の伝説上でいるという事は
知っていました。


Q:愛がテーマという事でしたが、今回は男女の関係だけでなく双子の思い合う力に驚きました。私にも
姉がいるので優しくしようと思いました(笑)。また今回アクションも大掛かりでしたが俳優さんがけがなど
されませんでしたか?


監督:私も6人姉妹なので姉妹の感情、どれだけ親しいかわかります。女性として愛は美しさがキーとなりますが、
この美貌を壊してしまう病気というのを設定しました。そしてこれをふた組の男女が、愛で病を超えられるかどうかと
いうテーマをひとつ据えました。
アクションの部分はジェリーの刀疤が一番多かったわけですが、最初はサイモン・ヤムさんの役が一番多かったので
すが、「年齢も高くなったので、そんにたくさんはできないよ。」ということで、彼のアクション部分が多くなりました。
2か月ほど武術を一生懸命練習してくれて、撮影現場でもけがをしてしまいました。彼はとても人間の本能的な
ものを持っていて、純な方なんです。撮影現場でもとにかくリアルを追及する、自分を守ろうなんて考えはなく、
自分がこう演じようと決めたら、こうしたら危ないんじゃないかという考えはなく突き進む方。彼に出会った時私は
すぐにそういう所を感じ取りました。
この映画の中では刀疤が唯一病気を持っている女性を抱く勇気があった人なんですね。ですから愛を得ることが
できた。それに反してジョセフの演じる文秀は本当にピュアな楽師であるわけですが、愛を病気があるために逃げて
しまった為に最終的に目も見えなくなってしまって、講談師になって最後はあのような姿になってしまうわけです。
刀疤はしっかりと病気のある愛する彼女を抱きしめたことで真実の愛を得ることになったというわけです。

会場には映画ファンはもちろん主演のジェリー・イェンのファンも多く駆けつけていた様子で、司会者から「最後に
ジェリー・イェンさんの撮影エピソードが出て、ジェリーファンのみなさんも非常に満足されたことと思います。」という
言葉がでると思わず拍手が起こっていました。
作品はもちろん、監督の情熱のこもった回答がとても印象的なQ&Aの時間となりました。また終了後はサイン会
が行われ、親しみやすい笑顔で写真撮影にも応じておられました。見ごたえのある作品と、気さくな監督の横顔に
出会えて素晴らしい1日となりました。またこの映画の日本公開が、福岡が初日であったことを光栄に思いました。


©FAEP
(文・写真:森下 恵美子)



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